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会津桐は、国内で生産されている桐の中でも最上級品と謳われており、
その中でも一級品と呼ばれるのが、三島町を中心に栽培されている宮下桐です。
雪深い気候と、只見川が運ぶ豊かな土壌に育まれた桐は、緻密な木目と銀白色の色味が美しい材となります。
その材質は、国宝級の文化財の収蔵箱の素材として指定されるほど、桐材のなかでも秀でたものです。
『鉋(かんな)をかけた瞬間に、宮下桐とわかる』。
その魅力に触れてみてください。
草のような、木のような、『桐』という生き物が作り出す材は多孔質(多数の細孔がある材)であることが特徴です。そのため、日本で一番、世界ではバルサ材に次ぐ二番目に軽い材として知られています。材の多数の孔は高い調湿能力をもたらし、美術品や文化財、着物等の衣類の収蔵に適しています。また、断熱効果が高く燃えにくい、軟らかい材のため当たってもケガをしにくい、収縮率が小さく“くるい”が少ないので緻密な細工に向いているなど、その魅力は多岐にわたります。
三島町は近年の桐栽培の発祥の地です。町内に植えられている会津桐は、5月中旬頃から薄紫色の花を咲かせ、甘い香りが漂います。三島町では、女の子が生まれると庭に桐の苗を植える風習があります。子どもの成長と共にまっすぐ大きく育った桐は、女の子の花嫁道具・箪笥の材料になります。今でも家や蔵などに桐箪笥が置かれている家もあります。古くから各地区の畑に植えられ、桐の里と言われる「桐の里三島町」の景観が形成されています。
近年、安価な輸入材の導入による国産材の値段の下落などにより桐栽培者が減少したため、国内の桐資源は減少しています。資源の確保は全国的にも重要な課題です。この貴重な資源を絶やすことなく大切に残すために、現在三島町では桐専門員を配置して、桐の栽培・育成に取り組んでいます。
桐は、昔から箪笥や桐下駄などとして広く使われてきました。現在は桐の特性を生かした新しい製品が作られています。2013年度「グッドデザイン賞」を受賞した桐の茶筒『茶綾』は、桐箪笥職人の優れた技術を活かし、隙間なく緻密に組み立てられた茶筒です。美しい木目を生かしたデザインと温かみのある質感は、使い心地が良く大切に使うことができます。
昔から桐とともに暮らしてきた三島町では、桐製品を多く使っています。奥会津産の桐材のみを使った会津総桐箪笥をはじめ、コースターやしおりなど、身近な製品も多々作られています。また、炭にすることで食用も可能です。桐炭は腸内の不純物を吸収し効果的な排出を促すデトックス効果や、体の消臭効果も期待できます。三島町を訪れた際は、ぜひ桐製品に触れてみて下さい。
町の観光情報施設「からんころん」では、桐炭でろ過した水を使用したコーヒーが楽しめます。桐炭は、水のカルキ臭や塩素系物質を素早く吸収する為、水を通すだけで浄水できます。同時にカリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル分を還元します。桐炭でろ過した水は、舌触りがよく、まろやかな味に変わります。
住所 | 大沼郡三島町大字宮下字宮下214-5 Google Maps<外部リンク> |
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電話番号 | 0241-48-5000 |
営業時間 | 9時30分~18時30分 |
定休日 | 年中無休 |
温泉桐手形川を眼下に見下ろす「宮下温泉」と開湯1200年の歴史があり鶴が湯に浸かり傷を癒した伝説が残る「早戸温泉」の2つの温泉があります。宮下・早戸温泉を巡る温泉手形は会津桐で作られています。
住所 | 宮下温泉(大沼郡三島町大字宮下地区内) Google Maps<外部リンク> |
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早戸温泉(大沼郡三島町大字早戸地区内) Google Maps<外部リンク> | |
電話番号 | 0241-48-5000(三島町観光協会) |
「道の駅尾瀬街道みしま宿」の2階には、会津総桐箪笥の展示がされています。最上級の会津桐と伝統の技を活かし、箪笥1竿をひとりの職人が専属で製作します。伝統家具「下三大洋」は、福島県ブランド認証産品に指定されています。
「道の駅 尾瀬街道みしま宿」で販売されているソフトクリームには、桐炭を練り込んでいるため真っ黒な色が特徴で、人気を集めています。
住所 | 大沼郡三島町大字川合字天屋原610-5 Google Maps<外部リンク> |
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電話番号 | 0241-48-5677 |
営業時間 | 10時~16時 |
定休日 | 1月1日~1月3日 |